日時:2018年2月17日(土)
会場:株式会社Cygames佐賀デバッグセンター、県内某所
今年初の授業、4時間目はなんと2部構成。講師も2人という豪華版です。テーマは「佐賀愛学~佐賀で生まれ、そして会社を作るまで~」。その会社とは…数々の大ヒットモバイルゲームを生み出し、アニメ、コミックも展開するゲーム開発「Cygames」!
渡邊耕一社長は伊万里出身。そして、昨年7月にゲーム制作の仕上げの作業とも言われるデバッグ業務を行うための「Cygames佐賀デバッグセンター」を立ち上げたばかり。授業前半は、会場のデバッグセンターでセンター長・平岡徹也さんを迎え、講演、ワークショップが行われました。
会場には約3倍という激しい倍率の中、選ばれた30人の受講者たちが参加し、ゲーム会社の裏側をひと目見ようと観覧者も多く集まりました。デバッグとは開発中のゲームの不具合を発見、報告、修正する作業。ゲーム好きでも、デバッグ作業には初めて触れる受講生がほとんど。ワークショップでは実際に会社の新人研修で使用されるという人気ゲームソフトを使って、ゲームの不具合発見にチャレンジしました。
講義用のソフトにはもともと40個ほど不具合が仕込んであり、先輩社員の指導を受けながらゲームを実際に進め、項目ごとに分けられた不具合を調べていきます。受講生たちの集中力もどんどん高まり、その瞳は真剣そのもの!
平岡さんは渋谷本社でのデバッグチーム責任者を経て、昨年、佐賀へ移住。「実直でねばり強い佐賀の県民性はデバッガーに向いている」と言います。「ユーザーが快適に楽しくゲームを楽しむためには、どんな小さな不具合があってもいけない。デバッグとはゲームを最高の品質にすること」と魅力を語ります。「細かい作業で集中した。根気と責任感が必要だと気付いた」、「こんな大変な作業があって初めて、ゲームが楽しめるんだとわかった」とデバッグ初体験を経た受講生たちからは、驚きの声が多く上がっていました。
そして授業後半はいよいよ、渡邊耕一社長の講演。渡邊社長はほとんどメディアに出ないことでも有名で、貴重なひと時への期待と緊張が膨らみます。受講生たちは大型バスに乗って「県内某所」とされていた会場へ…
「可能性を持った佐賀の若者に何か大きなことをやってほしいから」と講師を引き受けたという渡邊社長。今があるのは、田舎の生活が退屈だったという伊万里の子ども時代が原点で、「常につまらない毎日を面白くしようと考えていた」と語ります。小学校時代、図書館にある本をすべて読破したという仰天エピソードも披露。
中学卒業後は勉強の日々。高専時代にはプログラミングに出会い、ロボコンでリーダーを務めたといいます。その時に「チームでモノづくりをするのが楽しい」と気づいた渡邊社長。それから大学で哲学を学び、卒業後2つのゲーム会社を経て、2011年、「Cygames」を設立。それからの活躍ぶりは、みなさんが大好きなゲームが物語っていますよね。
Q&Aでは受講生一人一人に的確なアドバイスをしていた渡邊社長。恒例の佐賀弁メッセージでは…佐賀弁を忘れたと笑いつつ、「一言、“やれ”、それだけですね」。そばにいた弘道館2お目付け役の倉成英俊氏が「つまり、“せんね”ですね」と通訳してくれました。
「将来が不安だと思う時間があれば、目の前にあることに全力で取り組んで。僕はただ勉強してやれることを増やし、毎日を面白くしたかっただけで、それがたまたまゲームにつながった。とにかく行動すること。漠然と日々を過ごさないこと!」。渡邊社長の強いメッセージに会場にいるみんなが圧倒され、興奮に包まれたまま4時間目は幕を閉じました。
株式会社Cygamesは2011年に設立された、ゲームの企画・開発・運営やアニメーション製作を主事業とするサイバーエージェントグループの企業。代表作は「神撃のバハムート」、「グランブルーファンタジー」、「Shadowverse」など。